『はい、私はミニマリストです。
いいえ、私はこれらを捨てません。』
Yes, I’m a Minimalist. No, I’m Not Getting Rid of That
https://www.jessicarosewilliams.com/yes-im-minimalist-no-im-not-getting-rid/
こちらのブログを読んでインスパイアを受けたので、今回のブログは「ミニマリズムは形じゃなくて心である」について綴ります。
先日ドイツのミニマリズムのイベントに参加してきた。
イベントと言っても、私の住んでいる都市で開かれたミニマリズムに興味がある人の集いだ。
その時に、初参加ということで自己紹介も含めて「なぜミニマリズムを始めたのか」を聞かれた。
これは私にとってとても良い問いだった。
私の答えはこれ。
「ミニマリズムに反論があったから」
そう、私は最初、ミニマリズム反対派だった。
毎朝の洋服選びに嫌気が差した時、何か良い方法はないか探していてたどり着いたのが、ミニマリズムだった。
そして「ミニマリスト」「ミニマリズム」で検索してトップに出てくる情報源は、ほとんどがワンルームに住む、洋服は10枚以下、ベットを持たないというような、いわゆる「ザ・ミニマリスト」の方たちだった。
※「ザ・ミニマリスト」の詳細はこちらから
そんな方たちの生活風景や所有物の紹介を見ていると、ふつふつと疑問が浮かんだ。
『物の数にこだわっていて、自分の要求を満たせてなくて逆にストレスなのでは…』と。
そして私は、「なぜ私はミニマリズム反対派なのか」というトピックのブログを書こうと、どんどんミニマリズムについて学んで行った。
…と、そうしていくうちに、私が最初の情報源として入手した、
洋服の数が極端に少なかったり、部屋にはベッドがない、
そういうミニマリストは、ミニマリストの中の一つの形であり、それが絶対的な定義ではないことを知った。
そしてこれは面白い発見なのだが、海外のミニマリストたちのルームツアーなどを見ると、日本の検索トップに出てくるミニマリストたちに比べて明らかに家具など所有物が多いが、とても心地よさそうな生活空間だと感じた。
私自身もそうだったが、
ミニマリズムの情報を集め始めた時、情報源である検索上位に出てくるミニマリストさんたちは、「ザ・ミニマリスト」である。
家の中に物がまったくなく、引っ越しもタクシー一台でできてしまうくらいの所有物をお持ちの方たち。
だから最初はミニマリズムに対して強烈なインパクトとそれに反する心が芽生えたのだ。
これはメディア理論的にそうなってしまう構造なのだ。
人がひと目見て一瞬で「おお!」とインパクトある方が、注目度は上がる。YoutubeでもInstagramでもブログでも。
だからこそ、ミニマリズムを知りたての時には、
「ミニマリストになるには、引っ越しはタクシー一台で済む数の所有物のみにして、床で寝て、さらには友達付き合いやイベントごとへの参加の回数も減らしましょう。」
と言われているように感じるのだ。
しかしこれは違う。
ミニマリストの所有物の数や種類の定義はまったくない。
大切なのは、個人の考え方と気持ちだ。
「私の生活の中にあることで、幸福感を得ることができる」という、生活・人生に価値を加える物を所有し、そうでないものを手放す。
それがミニマリズムである。
私は部屋の照明を数種類持っている。
スキンケアはお肌に優しいオーガニックの物をつかっている。
そしてソファと絵画セットもある。
支払える範囲の値段であれば、これらの物の価格は気にしない。
それよりも、私の生活の中で価値を加える質であるかどうかを重視している。
そして何より旅が好きだ。
これらは安いものではなく、また旅に関してはお金も時間も必要となる。
しかし、ミニマリズムを実践する際、これらのものはもちろん、手放す対象とはならない。
私は優先順位をつけて、生活の価値の低いものから手放して、生活空間の余白を作るのだ。
夏のバケーション用のドレス<照明だったし、
メイク道具<絵画セットだった。
夏のバケーション用ドレス:夏・そしてバケーションという特定の時期にしか使用しないもので、バケーションに行ってかわいい格好をすることより、その土地の食べ物や見たいもの、人との交流を優先すると考えた。
メイク道具:そもそもメイクが苦手。ワンパターンにならないように持っているメイク道具だが、使っていないということは、ワンパターン=それが私の一番お気に入りのメイク方法であり、持っていても使用せず、一番のメイク道具よりテンションが上がるものではない。
他のミニマリストの方たちから見たら、私の家には不必要と言われてしまうもの、生活に必要のない贅沢品と思われるものがあるかもしれない。
しかしそれはそれでいい。
重要なのは、「私がどう価値をつけるか」である。
もちろん、絵画セットやスキンケア類の中でも、必要最小限を手元に残す形で、「価値のあるジャンル」の中でも余白作りは行った。
そして旅。
ミニマルな生活をすることで、時間とお金に余裕が生まれ、より一層この旅という経験を楽しむ時間もお金も生まれることになる。
私は自分自身を「ミニマリスト」と呼ぶ。
それは、形ではなくて、心でミニマリズムを理解し、その視点で生活や人生を見つめているからだ。
少し利己的に聞こえるかもしれないが、私の人生に価値を与えるもの・ことには「はい」と、反対に価値を与えないもの・ことには「いいえ」を言えるようになってきている。
そうすることで自然と自分にとって意味のあるものだけが周りにはっきりとみえてきて、そして意味をあまりなさないものとは自然と距離ができるのだ。
それは、冒頭で上げたような、インパクトがあって人々からの注目度を上げるために所有物を減らしたり、こだわりの高い商品を買ったり、旅に行くのではなく、自分自身の心が満足するものを所有しているだけだ。
ミニマリズムは断捨離ではなくて、幸せを集めることである。
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